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魚の白点対策(魚の検疫・治療について)

2019-04-30
魚の病気(主に白点病とウーディニウム)について結構苦労されている方が多いように感じています
それらの病気は結構手強いです。海水魚を長期飼育するなら病気を蔓延させないことが重要です
サンゴ水槽システム紹介動画で、魚の病気対策についても紹介を計画していますが、まだまだ先になりそうなので簡単にまとめておきます

サンゴ水槽で使える白点病薬でうまく治療できたことがないので、私は基本的にそれらを使わない方針で治療しています。使えるものも実際あるのかもしれませんが、サンゴへの影響も気になるので、水槽への投薬無しでも確実に治療できる方法をとっています。

■現在の水槽
現在のうちの水槽はこんな感じで、2014年以降、魚の病気は特に発生していません
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魚のヒレも綺麗ですし、首を振るとか痒がる様子は全くありません
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病気を蔓延させないコツは、単純なことで病気を持った魚を入れないことです
つまり魚を買ったらすぐに水槽に入れるのでは無く、1週間程度検疫をすることが重要です
ZEOvit水槽ではバクテリアを増やして栄養塩を取り除く関係で、殺菌灯が使えないので、魚の病気が発生したらかなり大変ですからね…

■白点病のライフサイクル
魚の病気の中でやっかいなのは、魚の寄生虫の白点病とウーディニウムです(どちらも同じ治療法が使えるので、以降はどちらも併せて白点病対策として説明していきます)
こんな感じのサイクルを繰り返しています(クリックで拡大します)
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写真は1996年 マリンアクアリウムより転載です

この寄生虫の特徴はこんな感じです
・魚に遊走子が寄生しただけでは魚の表面に症状がでないので寄生されているかわからない
・皮膚下で成長して、魚から離れたときに白点症状が見られる(この段階で寄生されていたことが確認できる)
・その後分裂して数百倍に増え、遊走子が魚と出会うと寄生
・遊走子は数日動けるけど、魚がいなければ感染能力が無くなって死ぬ
といったところでしょうか

この中で重要なのは
・銅が効果あるのは遊走子のときだけです
・魚の皮膚下で成長するので淡水浴は効果ないです
・白い点が無くなったら治るわけじゃない(いったん離れて水槽で分裂して増えるので、数日後にはより酷くなることに)
ということです
魚に白い点が数個見られたら、次のサイクルではもっと増えていくことになります

水槽で白点病が発生して、それを根絶させるには
①魚の白点病治療
だけではなく
②水槽の白点病治療
も必要となりますので両方とも紹介します。

■魚の白点病治療
治療方法は単純な連続換水法です
白点は一度魚から離れるライフサイクルなので、ひたすらバケツをスイッチすることで再感染を防ぎ治療する方法です
魚を購入したときの検疫と、白点病にかかった魚がいるときの両方とも同じ方法でできます

<必要なもの>
・最低でも15L以上のバケツを二つ(うちは飛び出し防止に35Lバケツを使っています)
・エアポンプ、エアストーン、オートヒーター、温度計を各2組
・夏場はペルチェ式クーラー
・ハイポ等の塩素中和剤
・シーケムアムガード
・サランラップ

バケツの様子はこんな感じです。夏場なのでペルチェ式クーラーを使っています
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ハタタテダイは白点になりやすいチョウチョウウオ科なので長め(2週間)検疫しました
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こちらはピンテールフェアリーラスのオスですが1週間ほど検疫
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ざるがあると暗くできるので魚も落ち着きやすいかもです
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温度計で水温チェックも大切です
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<連続換水法のやり方>
1.水道水をバケツ2つに入れてハイポ1粒で塩素中和。その後ヒーターで温度をあわせて人工海水を溶かします。バケツはそれぞれバケツA、バケツBとします。
2.比重/塩分濃度を確認します。
<バケツA>
3.バケツAに魚を入れます
4.アムガードを数滴入れておきます
5.ラップ等でバケツを覆い、飛び出しを防止します
6.この状態で2日間維持します。毎日アムガードを数滴入れると良いです
7.2日後、バケツを切り替えます。切り替え前に餌を食べさせます
<バケツA→バケツBへ>
8.バケツAのヒーター、エアポンプを切ります
9.バケツAの水を捨てて魚をバケツBに移します。このときなるべくバケツAの水を入れないようにします。素手だと魚にダメージがあるので、できれば使い捨て手袋を使うと良いです
10.バケツAに水道水を入れてよく洗います。同様にバケツAのヒーターとエアポンプを水道水でよく洗います
11.その後、水道水とハイポ、人工海水を溶かします
12.あとのサイクルは同様です

白点は自然と魚から離れバケツの底等にくっつくので、魚だけを移してあげればOK
魚についていた白点が離れきるまで1週間程度ですので、そしたら完治です
(なお酷く感染していた場合はもう1週間やっておいた方が確実です)

<補足>
・白点そのものは淡水に入れると浸透圧の関係で破裂しますので、バケツや機材を淡水で洗うのは重要です
・アムガードはアンモニア対策です
・餌はバケツ切り替え前に与えます。これもアンモニア対策
・補助的にカッパーセルを使うと良いかもです。万が一、遊走子が発生しても、銅で殺してくれる可能性があります
・たくさん白点に感染しているようであれば、感染症予防にグリーンFゴールド顆粒を規定量の半分程度入れるのも良いです

といった感じです

なお購入したばかりの魚はハダムシやエラ虫が付いていることが多々あるので、アクアリウムショップで販売されているBlueLifeのSafety Stopを使うと良いです。ハダムシは淡水浴で落とせますが、魚へのダメージも結構あるのでこちらの方が良いかな
この薬にはホルマリンが入っていて、特にエラ虫に効果あります。成分のホルマリンは本来劇薬で、アクアリウム用途で販売されている薬の中でホルマリンが入っている製品は知る限りこれだけのはずです
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ハダムシも皮膚下で成長して、皮膚の表面にいるときだけ薬の効果があるので、買ったときと1週間後にもう一度行うと良いそうです

■水槽の白点病治療
魚が1匹でも水槽に残っていたりするとその魚が白点のキャリアーとなってしまうことがあります。なので、魚を全て取りだして、水槽そのものの治療が必要です
水槽から魚をとり出す手っ取り早い方法は、サンゴと水を別の容器に移すことです
無理なら釣る、隔離ボックスに餌を撒いて入ったところを閉じ込めるといった方法もあります

<前提>
・魚を全て取りだして連続換水法で治療します
・水槽に残して良いのは、エビやヤドカリ、サンゴです

<水槽の治療法>
・水換え用の水を用意します
・プロホースで底砂やライブロックの下を吸い出して攪拌します。底砂が細かく、厚いシステムの場合、これはできませんので注意してください
・ライブロックにデトリタスがたまっていたら、良く攪拌して隅々まで綺麗にします
・水槽の壁面のコケを綺麗におとします
・オーバーフロー水槽ならサンプの壁面も綺麗にし、沈殿しているデトリタスを吸い出します
・ろ材があれば取りだしてこれも攪拌、綺麗にします
・ウールマット、スキマーカップ、スキマーネックも掃除します
・その後水換え用の水を水槽に入れます
・できればカルシウムリアクターも綺麗にします
1週間後、上記をもう一度実施し、1週間魚を入れずにそのままとします(魚を入れない期間は合計2週間)

プロホースは底砂掃除に便利なのでずっと使っています
砂の中はデトリタス結構たまりますからね
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なおろ材を掃除したら魚の病気が爆発的に発生して全滅、なんてのをたまに見ますが、こうなるのは寄生虫のサイクルと関係しています。魚から離れて分裂した後、すぐに遊走子を出さずに休眠することがあるそうです。それがろ材にたくさん引っかかっている状態で、ろ材を掃除するという物理刺激をトリガーに遊走子を出し、一斉に魚に感染…なんてことが起こるようです
なので水槽の治療法では物理刺激を与えることを目的に、どこも漏れなく綺麗にするってことをやっています

この方法は何度かやっていますが、魚と水槽を同時に治療することでその後白点が出ることはありませんでした
結構大変なやり方だとは思いますが、1度やればほぼ白点を終息させられるのが良いところなので、徹底的にやります

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魚と水槽の治療はこんなところです
魚とサンゴの状態を良くするため、以下についても見直してみてください
・魚の餌は十分か
・魚同士のケンカがないか、魚を入れすぎていないか
・水質(特にアンモニアと亜硝酸)が試薬で検出されていないか
・水槽の回転数(サンプ→水槽→サンプの水循環を1サイクルとしたとき、1時間あたり最低6回転以上)は十分か
 ※リーファー等のオールインワン水槽は回転数少なめなので特に注意が必要です

■トリートメントタンク
参考としてこちらも紹介しておきます
どにゃさんのトリートメントタンクです
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トリートメントタンクは常に稼働・循環させておいてバクテリアをろ材に定着させておきます
魚を買ってきたらまずこちらに入れて、銅による白点病治療と餌付けを同時にできます
治療と餌付けが終わったら、メイン水槽の飼育水で魚を濯いでメイン水槽に移すだけです
連続換水法のように、バケツの水を交換しなくて良いので楽ですし、アンモニア中毒リスクも無いのが良いですね
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銅はシーケムのキュプラミン(Cupramine)が使いやすいかなと思います
ニチドウのカッパーセルも良いですが、水量が多いとたくさん入れる必要があります
銅の濃度は0.4mg/Lが良いようです
多すぎれば魚が死んでしまいますし、少なすぎれば効果がありません
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■その他の病気治療法
白点病、ウーディニウムの原因は寄生虫によるものですが、海水魚はバクテリアやウイルス、その他の寄生虫にも感染します。症状にあわせて対象方法を知っておくことは重要です
他の病気についての詳細や治療薬については、雑誌マリンアクアリストに詳しく書かれています
以下に病気の名前と治療薬名をまとめておきますので、薬の使用量等の詳細は各マリンアクアリストを読んでください
凄く参考になります
クリックで拡大します
20190430_160.jpg

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せっかく水槽で生き物を飼育するのですから、魚もサンゴも元気であって欲しいですね
検疫を確実に行えば病気がほとんど発生しない水槽は作れるはずなので試してみてください

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